子育てはアウトカムではなくプロセス自体を大切にしよう

#育児

はじめに

子育てエンジニア Advent Calendar 2024 23 日目の記事です。

2021 年生まれの息子の子育てをしている育児 4 年生です。日々楽しく過ごす中にも、この一年は発育に伴う新種の悩みが多くありました。

  • 子供の自我発達と共に親の「こうしてほしい」が効かなくなる
  • 周りの子も含めてできることが増えるにつれ能力や発達に焦りを感じる
  • それらを目にして親としてちゃんとできてるのか不安になる

こうした焦りや苛立ちと戦う日々でしたが、今は子供が何を達成したか・それによって親に何が返ってきたか(アウトカム)を気にせず、親子が日々の中で何に取り組めたか(プロセス)を大事にすることでポジティブに過ごせている気がします。今のマインドを自戒を込めてまとめます。

親は我が子の発達となると狂いがち

本を読むのにハマってる息子の様子
本を読むのにハマってる息子の様子

「子供が字を覚えた」「自転車に乗れるようになった」等、できることが増えるのは本当に嬉しいことです。けれど同時に周りと比べたり、親の期待と乖離があると冷静さを失ってしまいがちです。教育虐待のような極端な例までいかなくても少なからず誰にでもあるはずです。

今年は周りの子たちが 4 歳になり(うちは早生まれなのでまだ)、徐々に習い事デビューを始める子も出てきました。我が家もいくつか見学に行き、そのうちの一つに加入したことがありました。しかし結局途中から行くのを渋るようになり、あまり通えないまま退会することに。

冷静に考えれば 3 歳程度の幼さで習い事なんて続かない方が普通だろうし、ましてや早くやればいいというわけではない、というのは明確なエビデンスが取られている例もあります。
子どもの英語学習は早くから始めるほど効果があるのか | ふらいと先生のニュースレター
(余談: このニュースレターは毎回子育ての勉強になりオススメです)

ファクトベースで論理的に物事を考えるべきとは思いつつ、それでも「周りのあの子は続けられてるのに」「こんなに一生懸命調べたりお金を出してあげたのに・・・」という感情的なお気持ちに苛まれてしまいます。

出来た事よりやったこと自体を褒めたい

特にエンジニア界隈は成果至上主義が当たり前なので、ただ「⚪︎ ⚪︎ やってみた」が一切評価されないことに慣れてしまいます。育児は仕事ではないので当然考え方が違いますが、油断するとつい成果について考えてしまっている。そんな人は自分だけではないのかなと。

生きるために短期でも成果・キャッシュを産まないといけない企業と違い、人の人生は極端に言えば何もせずとも続いていく(短期成果を出さなくても許される)。例えば幼少期のただ楽しかった思い出が 20 年後の進路に効くなんてことが誰でも起こりうるわけで、成果らしいものがなかった事も種まきとして価値があったと思うようにしたいです。

そもそも子供は関心の方向を変えるというのができないので、親の思うような事をやってもらうのは生物的に無理な話です。育児関連の読んで良かった本の一つにも、一貫して子供に何かを強いるのではなく寄り添う姿勢の大切さが書かれています。

こどもがいちばん学習するのは、こどもの選んだものにおとなのほうが合わせてくれたとき

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親だって何かやっただけで偉い

もちろん成功体験を積んでいくことも大事なので、親としては様々な機会を提供することに注力し、何を成すかは子供に委ねる。例えば教室に一回でも足を運んだだけで、一つ挑戦をしたので褒める。親もそのプロセスを踏んだだけで十分やりきった、と思うようにしています。

「やっただけで褒める」という考え方は親自身にも救いになります。習い事のような例に限らず、せっかく頑張って遊び施設に行っても楽しむどころかワガママを言ったり泣いたりする、なんてのは良くある話だと思うので。。。そういう時にすごい徒労感や怒りを感じたこともありましたが、冷静に観察すると単にその時の気分というのがほとんどで、親はダラけず子供のために全力で過ごしただけで偉い。そういう考え方になりました。

片道 2 時間かけ遊びに行った帰りの車が退屈で大喧嘩した日。でも後日唐突に「あそこ楽しかったねー!」と言ってきたりする 😇
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子供は親の期待の範疇なんかに収まらない

・・・いやでも本当に親は楽しく過ごしたり何かやっただけで満足していいのか?といった不安も湧きますが、以下の本を読んでいて気楽に構えるようになりました。

日本人の9割が知らない遺伝の真実

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内容は「遺伝がほぼ全て」のような話で身も蓋もないと言えばそうなのですが、個人的にはスコアリングできる能力の多くが遺伝で決まる=そこへ過度なリソースを割かずとも他に回せるというポジティブな解釈です。もちろん親が期待を込めて何かに打ち込ませるのもいいですが、遺伝的素養に左右されるのも事実な以上、もし思うようにいかなくても子供自身や親の教え方に非はないということです。

そもそも幼児を育てていて痛感する事で、親の興味関心の範疇に子供のそれも収まってしまいがち(例えば私はサッカーに一切興味がないので子供もまた然り…w)というのがあり、当然子供に期待をかけたり機会を与えられる領域も狭いだろうなと。おそらく子供が大きくなり親以外からも情報を得て、親の興味外で才能を開花させる可能性の方が高そうです。前述の書籍でも「どんな能力も社会的に認知されて初めて『能力』として定義される」と記されているように、親が聞いたことすらない能力が将来発見され、それを子供が持っている可能性もあるはずです。

そうすると親のエゴで子供に特定領域で期待をかけたり何か取り組ませて一喜一憂するよりかは、子供の興味が向くままに挑戦できる環境を提供すること、それを邪魔しないことの方が大事に思えます。もちろん正解は一つではないし、私の考えが牧歌的かつ楽観的すぎる点は否めません。だけど今は、もうちょっと気楽に構えて親も子も楽しむことを心がけたいなと思っています。

親の偏った知識の影響で「ここにフェンダー付けてみた!」「マフラーは 2 本なんだ」と車の解像度が高い息子
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