2024年買ってよかったもの：SIGMA fp（1年ぶり2回目）

SIGMA fp というカメラを買った。すでに発売から 5 年経っていて特に話題性がある物でもないし、むしろカメラに詳しい人はご存知の通り難点も多い機材だ。

なんで今更？という感じの買い物だが、個人的に今年一番思い入れが深い物だったので 2024 年に買ってよかったもの Advent Calendar 13 日目の記事にする。

去年、買って 1 ヶ月で売ってた

実は去年の夏にも一度買っていた。そしてすぐに「うーんこれは」と根をあげ、早々に手放してしまっていた。

fp は出てすぐの頃にもレンタルで使用したことがあり、ブログに書いた。
SIGMA fp を一週間レンタルした

この時の印象は見た目もアウトプットも素晴らしいが、扱いづらい点が多く買うには至らなかった。そして去年買って手放した理由も大体同じものだった（レンタルの意味なし）。

一度試用したのに買ってしまったのは、触って以来ずっとどこか心の片隅にあるようなカメラだったからだ。売却してしまった後もやはり気がかりで、ちょうど機材リプレイスの機運が高まり 2 度目の購入。今回は満足して使い続けている。

便利さより使いたいと思える機材を使いたい

割と長い間フジフイルムのカメラをメインに使っていた。フジのカメラは見た目良し・アウトプット良し・AF 等の性能も十分と、fp と違い使っていて辛くなる点がない。けれど「今日も持ち出して使いたい」という純粋な気持ちが薄れてきた。

フジの機材で撮った写真は常に素晴らしい。逆に大きな失敗も滅多にしないのでアウトプットが均質化されてて見飽きたみたいなのは感じるようになった。最近よくフィルムでも撮影してて、下手なのでピントが外れてたりブレブレな写真も多い。けれどそういうものにもハッとさせられるショットがあったりするし、アウトプットに幅がある方が楽しみも広がると思うようになった。

あとは在庫不足と価格高騰をブランディングの一環かのように打ち出す姿勢に冷めてしまったところもある。最近は商品だけでなく背後にある作り手も意識してモノ選びしたいなぁと考えるようになったのもあり、気持ちが離れてしまった。

そんな感じで次に選ぶ機材はクセも楽しめるものがいい。メーカー自体に選ぶ意義を感じさせられると尚良い。そう考える中で真っ先に思い浮かんだのが fp だった。

SIGMA には使いたいと思わせる魅力がある

ちょうど夏ごろ fp 人気が再燃していた時期だったらしく、かろうじてボディ単体を公式オンラインストアで買うことができた。レンズは手持ちの M マウントレンズに加えて 50mm F2 DG DN Contemporary を購入。金属製のボディで fp に装着するとずっしり来るが、質感がとても良い。

所有欲といえばみんな Leica と言うだろうが私は大満足してる。これを日本の小さい企業が、福島で製造までやっているというのも良い。自分の周りで SIGMA の製品が気になり始めた人がいたら、公式 YouTubeやinstagramの様子を覗いてほしいなと思う。ちなみに私が一番好きな動画はこれ。

改めて SIGMA に関心を向けてみると、製品だけでなく背後にある作り手や考えの存在感を強く感じる。SNS をざっと眺めただけでもユーザのコミュニティを大事にしている様子が知れる。製品発表動画もすごくおすすめで、山木社長が「ここが技術的に難しかった」「うちのデザイナが、技術者が頑張ったんだ」と熱く楽しそうに語るところは見ていて楽しい。

熱狂的なファンが一定数いるのは FOVEON のようなニッチな存在故だろう程度にしか考えていなかったが、そうじゃないと思うようになった。気づいたら SIGMA 本社がある磐梯町にふるさと納税してたし、夏に東京から妻の実家の青森まで車で帰る際、磐梯山まで行こうかなと計画もした（日程の都合で無理だったが、また時間をとって行きたい）。すっかり「メーカーのファン」という感じになりつつある。

フジフイルムへの不満は書いたけど積極的に機材処分とかはせず、これからも fp と併用していこうと思っている。やっぱり家族写真や失敗できないシーンで fp を持ち出すのは心許ない。けれど、純粋に写真や機材選びを楽しむ中心は SIGMA 製品に移っていきそうだ。

最後に最近 fp で撮った写真を貼って終わる。

BlueskyHatena