AI時代に個人ブログを書くモチベーションを見つけづらい問題

#雑記

僕はブログを書くのも他人の個人ブログを読むのも好きだけど、生成AIを日常的に使うようになってからブログを読む機会は減り、なんか自分でも書く意味もう無いのかなぁとか思うようになっていた。

そんなこんなで今年1本目もブログを書いてなかったので、最近考えていたことについて書く。

ブログなどのWeb発信が厳しい時代

読み手の誰かに届けたいというのがブログを書くモチベーションにあるが、その届ける役割としては随分前からSNSが主流になりつつあって、そこでは拡散力が何より大事だったり外部リンク共有が排除されようとしている。情報を欲している人にダイレクトに伝わる術だったGoogle検索は前からの品質低下にAI検索も加わり、一層個人ブログに辿り着きづらくなっている。

AI時代はむしろWebのトラフィックは増えているという話もあるので、とりあえずアクセスがあれば良しという考え方もできなくはない。

実際僕の個人サイトへのアクセス数も以前とあまり変わらないんだけど、AIに食わせるための文章を頑張って書くモチベーションとは...という気持ちにはなる。

はてなブログなど国内のサイトは生成AIからのアクセスを拒否する動きが話題になっていたが、時代の流れに逆らっているように見えるし状況は変わるだろう。

生成AIの「URLを読む処理」について考えてみる。 - フジイユウジ::ドットネット

AIで書くハードルが下がった感もあるが...

それでもブログ発信を続けたい人にとってはAIでより楽にブログが書ける良い側面もある。仮に人間がページにアクセスしたとて全文を読む可能性は少なくなっていくからだ。

僕はしばらく前からEdgeをメインブラウザにして、少しでも読むのに抵抗がればCopilotで要約している。こんな文章を書いておきながら便利で離れられなくなっている。

他にもSafariのApple Intelligenceに加えGemini in Chromeも選択肢に加わり誰もが使うようになるのは目前のはずだ。頑張って推敲した文章も読まれないと悲しいが、AIが要約できる程度に骨子が整っていれば十分と考えると書き手は心理的に楽だ。

オープンに発信する意義が薄れている

「ただ書きたい」「思考整理をしたい」などの内発的動機もブログにはあるけど、それなら最近盛り上がってるObsidianのような個人ドキュメントでもいいじゃんとは思う。これまではpublicにすれば誰かが見つけて役立つかも、という期待も込められたが今後は厳しい。

もしみんなオープンに書かなくなるとAIの学習ソースも無くなりそうだけど、仮に個人のローカル環境上でAIが安全に非公開なデータをモデル学習に使えるようになればそれで済みそうな気もする。プライベートの文章は気軽に書けて意地悪な人間に読まれて炎上するリスクもないから書く人とAI両者に都合がよさそうだ。それが加速していくとWebに残るのはアプリケーションだけという世界もあり得るのかなと思った。

Web is Dead. Long Live the InternetーWebは理想を諦めて、インターネットの一部になった - Nothing ventured, nothing gained.

となると、最後に残るのはアプリケーションプラットフォームとしてのWebなのかもしれない。Flutterのように、Webはアプリケーション基盤としては理想からは遠いと考えて別の選択肢を模索した開発者もいる。ただ、Webには“ブラウザさえあれば動く”という圧倒的な普及性とアクセス性がある。それはアプリケーションプラットフォームとして、理想ではないにしても現実解として十分に機能しうる理由だ。情報共有という役割が後退する一方で、Webはそうした現実的な立場として生き残るのだろう。

誰に届けるかを重視すればモチベーションは維持できるのかも

それでもオープンに情報発信するのなら何のためにやるのか、改めて考えさせられる時代になったと思う。

自分はどうかというと、今の状況を踏まえても何かの役に立つ情報や考えを、届いて欲しい人に届ける手段としてブログがいいなと思っている。問題提起めいたことを書きつつ解決策らしいものはないが、あくまでN=1のお気持ちの話をする。

未だにXなどのSNSの爆発力は感じる(というか良くも悪くも加速している気もする?)し、純粋な情報発信とリーチならSNSの思惑通りの方式をとればインプレッションを得ることはできそうだ。一方でそのSNSをやってる人にしか届かないし、伝搬力が強いが故に届いてほしくない人に届く問題も起きる。変な話リンク共有がアルゴリズムに嫌われることでホッとする一面もあるし、読まれる事と同じくらいに読まれない事も大切なことだ、と最近は思う。

万バズじゃなくても身近な人から「これ良かったよ」と直接フィードバックされる方が嬉しいし、そうした届ける相手の質を高めてモチベーションを上げられないかと思ってる。

発見してもらうより見つけてもらいにいく努力が必要

情報を必要としてる人が検索やSNSのタイムラインを通じてブログたどり着く、というのは今後さらに無くなっていく気がする。一方で自分から届いて欲しい人に届くよう努力する余地はあると思ってて、最近は流さないよりはマシくらいの気持ちでブログを書いたらXに自動投稿しつつ、それ以外にもっとユーザ数の少ない、繋がりも身近な人中心のSNSなどにも投げるようにしている。フィードバックが返ってくる数こそ少ないが、「伝わってよかった」と思える人に伝わっている確かな実感はある。

今までのように検索エンジンやXのような巨大な入り口から発見してもらうより、これからはお互いに共感できる人が多そうなコミュニティを見つけてそこへダイレクトに情報共有する方が理にかなってるかもしれない。

個人の発信を取り巻く環境はかなり厳しい印象だけど、モチベーションの置き方次第ではまだまだブログというフォーマットに魅力も価値も感じるし、その限りは引き続きやっていきたい。